専門店として美味しい落雁を提供できる
専門で作り続ける経験とノウハウから生まれる品質
当店は小規模な和菓子工場ですが、年間を通して工場の稼働はほぼ落雁になります。成型機を多用して幅広いロットに対応させていただいています。もし、うちが一般の和菓子屋さんのように慶事のお赤飯、三つ目の牡丹餅、饅頭など様々な和菓子を幅広く作っていたら、神社仏閣様に今ほど貢献できていないと思います。
落雁は一般的に穀物の粉と砂糖に水飴などを加え混ぜて、型抜きして乾燥させたものというシンプルなものと考えられていますが。「簡単なものほど難しい」という言葉もあるように、大変難しい側面があります。生地は粉体であるため気温や湿度の影響を本当に受けやすいのです。水分量が少なすぎてもお届けするまでに壊れやすくなったり、混ぜるときの加減により生地の膨らみがでなく美味しくなかったりします。春先の朝は晴れているけど昼頃に突然大雨になったり、梅雨時期は湿度が高く、夏場は高温で生地がぼそぼそしてしまったり、実は季節の影響をとても受けやすいです。ほとんどの和菓子屋さんは木型を使用していますが、当店は機械型も使用しています。両者では生地の調整が根本的に違ったりします。
でも、季節変動なく年間で美味しくきれいな落雁をお届けしているのは、専門店としての経験やノウハウが蓄積出来ているからです。さまざまな用途にご対応するため、一般的な米粉以外にも、赤えんどう粉、玄米、麦こがし、大豆、きな粉などベースとなる粉を変えたりもします。餡が入ったり入らなかったりでも生地感が異なります。味付けも、桜、ゆかり、抹茶、さつまいも、柚子など和菓子屋として季節感を演出することもしています。実は、洋菓子のようなお味で作ることもあったりします。日々が勉強で「変わらないために変わり続ける」をモットーに昔ながらの原料でも配合を少しずつ変えています。